傾斜スミスマシン(トレーニング)のやり方!どの向きで鍛える?
2018/03/03
前回の記事ではスミスマシンに関する内容で、垂直スミスマシンを中心にしたものでしたので、今回は傾斜スミスマシンに関する内容を書いてみようと思います。
個人的にスミスマシンばかりを利用することはあまり勧めはしませんが、スミスマシンのほうが好きな人も確かにいますし、通っているジムに置いてあるマシンの種類によりスミスマシンしか選べない方たちもいますので、利用するのを否定をするわけではありません。
傾斜スミスマシンは垂直スミスマシンの短所を「一部」補充する目的で作られたものです。
実際の筋トレ動作の多くが、特にベンチプレスなどはバーベルの軌跡が垂直ではありません。
またスクワットも、理論的には垂直であっても実際に動く時には体にかかる力の方向は完全に垂直ではありません。
そのためにフリーウェイトとスミスマシンでの姿勢の差は大きくなってしまいます。
傾斜スミスマシンは、この時に垂直スミスマシンの代わりに使用できます。
ところで、前からも後ろからもやっても構わない垂直スミスマシンとは違って、傾斜スミスマシンでは、多くの方が「一体どの向きでやればいいの?」と分からなくなってしまいます。

垂直スミスマシン

傾斜スミスマシン
実はこの問題は種目によってまちまちです。
さらに、同じ種目の中でもやり方によって、立つ方向が変わる場合もあります。
しかし、ここでは「最も一般的な用途」に限って説明をしていきます。
1.ベンチプレス、オーバーヘッド・プレス
ベンチプレスは答えが最も簡単です。
平ベンチプレスを基準にした場合、レールが上のイメージのように頭のほうに傾くようにすると良いです。
つまりバーベルが下に降りた時、バーの位置がみぞおちの方に行くように体の位置を調整します。
インクライン・ベンチプレスもこれと同じです。 頭の後ろ側に傾斜が傾くように座ればいいです。
ところで上のイメージと反対方向でやることはどうなると思いますか?
答えはデクラインベンチプレスと似たような効果になります。
なので傾斜スミスマシンでデクラインベンチプレスをしたいなら平ベンチ、インクラインベンチとは違う反対向きでやると良いです。
姿勢はバーベルのバーが下に降りた時に胸の辺りになるように体の位置を調整すると良いでしょう。
一方、オーバーヘッド・プレス系列の筋トレの場合も同様です。
この時も上のイメージのように傾斜が頭の後ろを向くように立つか座るかすると良いです。
ベンチプレスとは違って、ここでは反対向きで行ってしまうとあまり意味のないトレーニングになりかねないので気をつけてください。
2.バーベルロウ
バーベルロウも軌跡自体が垂直ではありません。(ペンドレイロウを除く)
一般的に実施しているバーベルロウは体を少し上に立てて実施するために軌跡が体の方にやや傾くようになります。
このために傾斜スミスマシンでロウをするには上のイメージのように傾斜が後方へ傾くように立って行います。
バーベルロウのほかにドラッグカール、アップライト・ロウなど、引っ張る種類の運動でも同じです。
3.スクワット
実際、最もあいまいなのがスクワットです。 スクワットは本人の目的によって両方の傾斜をすべて使うことができます。
体の前後を全部鍛える一般的なスタイル、つまりフリーウエイトと最も類似したスクワットをしたいと思うなら、上のイメージのように傾斜が前方になるように立って行います。
この時、足の位置は立った時、バーベルの位置からの垂直線が足のアーチ辺りに来るように、つまり正式スクワットと同じ位置で開始します。
そして降ろす時はバーベルがお尻の方に後退するようにします。それで下部ではフリースクワットよりも後ろに中心が傾いた姿勢になります。
以前の記事で書いたように、垂直スミスマシンではフリーウェイトみたいな姿勢でやると下部で、膝が前方に過度に出てしまう問題があるのですが、その問題を予防する効果があります。
しかし、垂直スミスマシンでも足をちょっとだけ前に出してやれば似た効果を得ることができるため、特にどちらのほうが良いとは言えません。
もう一つの姿勢はスミスマシンで体を完全に立てて足を前方にたくさん出してハックスクワットのようにしようとする場合ですが、この時は傾斜は上のイメージのようにした姿勢で実施します。
傾斜スミスマシンでトレーニングを行う場合は、垂直スミスマシンでこの姿勢で行う時に比べれば、少なくとも腰にかかる負荷は少し減るのが長所です。